新商品のプレスリリースを書こうとして、テンプレートを開いたまま手が止まる。
埋める欄は分かるのに、何を書けば記者に読まれるのかが分からない。
止まる原因は文章力より、欄に入れる「事実」をまだ決めていないことにあります。
プレスリリースの書き方は、型を覚えるより先に「何を伝えるか」を決めると一気に楽になります。この記事では、よく言われる7つの構成要素を「欠けたら終わりの絶対条件」ではなく、目的によって重みが変わる推奨チェックとして整理し直しました。そのうえで、新商品・新サービスの発表と、イベント・キャンペーンの告知の2種類について、記入欄つきの完成テンプレートを載せました。同じ内容のWord版とPowerPoint版も無料でダウンロードできます。
Mirai&代表の今野は、18年のEC・SEO・Web運用の現場経験をもとに、AI人格®によるプレスリリース作成の仕組み化を手がけてきました。Web運用では、アクセス5.4倍、上位表示率70%の実績もあります。その現場で見てきた「載るリリース」と「読まれないリリース」の差を、書く手順に落とし込みました。
書く時間そのものが取れない場合は、原稿づくりを外に任せる選択肢もあります。
プレスリリースの書き方が難しい理由
プレスリリースとは、企業や団体が報道機関に向けて、記事の材料となる事実を公式に届ける資料です。
言葉の違いが気になる方は、プレスリリースとニュースリリースの違いとは?使い分けと書き方を完全解説で使い分けを整理しています。
書き方が難しく感じる一番の理由は、書き手が伝えたいことと、記者が記事にできることがずれやすい点にあります。書き手は「この商品のよさ」を伝えたい。一方の記者は、自分の読者にとってニュースになる事実を探しています。
記者がリリースを読むときの判断は、おおむね次の3つの問いに集約できます。
- 新しいか: これまでになかった商品・取り組み・数字があるか
- なぜ今か: この時期に伝える理由(季節、制度の変更、社会の動き)があるか
- 誰の役に立つか: 記者の読者にとって、知る意味があるか
この3つに答える事実がないまま書き始めると、どれだけ文章を整えても「よくできた宣伝文」で止まってしまう。
今野自身、この差を身をもって知っています。EC事業で新商品を出したとき、PR会社に月額50万円で3ヶ月の契約をしました。メディアリストの作成、リリースの配信、月次レポートと、やることは明確に見えていたんです。
ところが3ヶ月後、メディア掲載はゼロ。150万円を払って手元に残ったのは、メディアリストと3本のプレスリリース原稿でした。
正直、悔しかった。
振り返ると、足りなかったのは文章の形ではなく、記者が記事にできる「ネタ」、つまり先ほどの3つの問いに答える事実でした。当時の自社にはPRの基盤がなく、PR会社がアプローチできるネタが限られていたのです。
型は、中身を運ぶ器にすぎない。
だからこの記事では、構成要素を並べる前に「何を伝えるか」を決め、それを欄に流し込む順番で説明します。次の節では、その器にあたる7つの構成要素を見ていきます。
プレスリリースの7つの構成要素
プレスリリースの構成要素とは、記者が記事を書くのに必要な情報を、決まった順番で渡すための部品のことです。
「7要素が一つでも欠けると成立しない」と説明されることもありますが、実際の重みは発表の目的によって変わります。配信サービスごとに入力欄の作りも違うのが実情です。そこでこの記事では、7つを次のように分けて考えます。
- どの目的でも入れたい5つ: タイトル、リード文、本文、会社概要、問い合わせ先
- 目的によって重みが変わる2つ: 画像・素材、代表者や担当者のコメント
リリースの紙面では、上から、記者の目を止めるタイトルとリード文、内容を伝える本文と素材、信頼と連絡を支える会社概要と問い合わせ先の順に並びます。
要素1: タイトル(見出し)
タイトルは、プレスリリース全体の入口です。記者はまずここで、読み進めるかどうかを決めます。
「誰向けの何が、いつ始まるのか」が一読で分かることを優先してください。長くなった場合は、最初の30字前後だけで何の話か伝わるかを見直すと、一覧画面で切れても意味が残ります。「画期的な新サービスが登場」のような広告の言い回しは、記者にとって判断材料になりません。
書き出しの例文は、後半の新商品テンプレートの「タイトル」欄に載せています。
要素2: リード文(冒頭要約)
リード文は、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように(5W1H)を1〜3文に凝縮した要約です。
本文まで読んでもらえるかどうかは、ここで決まると考えて書きます。リード文だけで「何が起きたのか、なぜ伝える価値があるのか」が分かれば合格です。
そのまま使える形は、後半のテンプレートの「リード文」欄で確認できます。
要素3: 本文(詳細説明)
本文は、重要な情報ほど前に置く「逆三角形」で組み立てます。
流れは「背景と課題 → 解決策と特徴 → 期待できる変化 → 今後の展開」が基本です。各段落は3〜5文を目安にし、専門用語には括弧で短い説明を添えます。
記者は記事の裏付けになる事実を探しています。「〜と思われます」のような曖昧な表現は避け、日付・固有名詞・数字で書いてください。ただし数字は、自社で測った値か出典のある値だけを使い、測り方や期間を添えます。手元にない数字を「それらしく」書くのが一番危ない。
記入例: 「【業界・市場】では、【具体的な課題】が続いています。【商品・サービス名】は、【特徴】によってこの課題を解決します。【自社で確認できる結果(測定方法・期間を添える)】」
要素4: 画像・素材
画像・素材は、記者がそのまま記事に使える写真や図のことです。
テレビやWebメディアでは、使える画像があるかどうかで扱いやすさが変わります。商品・サービスの写真、ロゴ、代表者や担当者の写真、仕組みを説明する図などを用意し、自社で権利を持つものだけを添付してください。サイズや形式は、使う配信サービスや媒体の案内を確認するのが確実です。
新商品の発表では重みが大きく、社内の人事のお知らせなどでは出番が少なくなります。
要素5: 引用コメント(代表者・担当者の声)
引用コメントは、記事に「人の言葉」を入れるための素材です。事実だけでは伝わらない意図や思いを、記者がそのまま引用できる形で渡します。
1〜3文で、解決したい課題、この取り組みに込めた考え、今後の展開のいずれかを語ってもらいます。新商品やイベントでは効きますが、短いお知らせなら省いても成り立つ要素です。
コメントの書き出しは、新商品テンプレートの「代表者・担当者のコメント」欄と、イベントテンプレートの「主催者のコメント」欄にあります。
要素6: 会社概要(ボイラープレート)
会社概要は、記者が発信元の信頼性を確かめるための定型の情報です。
会社名、代表者名、所在地、設立年月、事業内容、公式サイトのURLを、毎回同じ形で載せます。形をそろえておくと、記者の確認の手間が減ります。
並べ方は、後半の2つのテンプレートにある「会社概要」欄がそのまま使える形です。
要素7: 問い合わせ先・メディア連絡先
問い合わせ先は、取材したいと思った記者が最初に連絡する窓口です。
担当者名、直通のメールアドレス、電話番号を明記します。窓口が分かりにくい、あるいは連絡しても返事が遅いと、取材の機会を逃しかねません。
書く項目は、テンプレートの「報道関係者のお問い合わせ先」欄にまとめました。
目的別に重みを変える推奨チェック
7つの要素は、目的に合わせて力の入れどころを変えると書きやすくなります。
- 新商品・新サービスの発表: タイトルとリード文に「誰の何が変わるか」、本文に価格・提供開始日・販売場所、画像は商品写真を必ず添える
- イベント・キャンペーンの告知: 日時・場所・対象・参加方法・締切をリード文までに出し切る。取材を受け付けるなら、その案内も入れる
- 社内体制や人事などのお知らせ: タイトル・リード文・会社概要・問い合わせ先を中心に短くまとめ、コメントや画像は必要な場合だけにする
この推奨チェックを、実際に1本の形にしたものが次のテンプレートです。
新商品・イベント別のプレスリリーステンプレートと書き出し例文(Word・PowerPoint)
目的別プレスリリーステンプレートとは、発表の目的ごとに、入れるべき項目と書き出しの文をあらかじめ並べた雛形(フォーマット)です。7つの要素に加え、「報道関係者各位」の冒頭表記、サブタイトル、商品やイベントの概要、取材のご案内など、配信時によく使う欄も足しています。
【 】の部分を自社の事実に置き換えれば、1本のリリースになります。例として数字や社名を入れていないのは、サンプルの数字をそのまま残して配信する事故を防ぐためです。空欄のほうが、結局は安全。どの欄も、自社で確認できる事実だけで埋めてください。
新商品・新サービス発表のテンプレート
新商品・新サービスの発表では、「使う前と後で、誰の状況がどう変わるか」を軸にします。スペックを並べるより、変化を一文で言えるかどうかが記事になるかの分かれ目です。
- 冒頭の表記: 報道関係者各位/【配信日】/【会社名】
- タイトル: 【会社名】、【誰向けか】の【困りごと】を解決する【商品・サービス名】を【発売日・提供開始日】に発売
- サブタイトル: 【これまでの方法】では難しかった【できるようになること】を、【特徴を一言で】で実現
- リード文: 【会社名】(本社: 【所在地】、代表取締役: 【代表者名】)は、【対象者】向けの【商品・サービス名】を【発売日・提供開始日】より【販売場所・販売方法】で発売します。【商品・サービス名】は、【対象者】が抱える【困りごと】を【特徴】によって解決する【商品カテゴリ】です。
- 開発の背景: 【業界・市場】では、【具体的な課題】が続いています。【会社名】にも【自社で確認できる事実(お客様の声・問い合わせ内容など)】が寄せられており、この課題に応えるために【商品・サービス名】を開発しました。
- 商品・サービスの特徴: 特徴1: 【特徴】によって、【使う前の状況】が【使った後の状況】に変わります。特徴2: 【特徴と、それで変わること】。特徴3: 【特徴と、それで変わること】。数値を書く場合は【測定方法・期間・出典】を必ず添えます。
- 代表者・担当者のコメント: 【役職】【氏名】は次のように述べています。「【この商品で解決したい課題】に、【対象者】がこれまで十分な手段を持てずにいました。【商品・サービス名】で【実現したい状態】をつくりたいと考えています。【今後の展開】」
- 商品・サービスの概要: 名称: 【商品・サービス名】/価格: 【価格(税込・税別を明記)】/発売日・提供開始日: 【日付】/販売場所・申込方法: 【店舗・URL】/仕様: 【サイズ・内容量・対応範囲など】
- 添付する画像・素材: 【商品の写真(単体と使用シーン)】/【ロゴ】/【代表者・担当者の写真】。自社で権利を持つ素材だけを添付します。
- 会社概要: 会社名: 【会社名】/代表者: 【代表者名】/所在地: 【所在地】/設立: 【設立年月】/事業内容: 【事業内容】/URL: 【公式サイトのURL】
- 報道関係者のお問い合わせ先: 【会社名】 広報担当: 【氏名】/電話: 【電話番号】/メール: 【メールアドレス】/受付時間: 【曜日・時間】
同じ内容をファイルでも用意しました。社内で回覧したり、項目ごとに書き込んだりするときに使ってください。
イベント・キャンペーン告知のテンプレート
イベント・キャンペーンの告知では、日時・場所・対象・参加方法を冒頭に集めることが最優先です。告知は開催日より前に届けます。終了後に、参加者数など自社で数えた結果をニュースにする報告のリリースを、間を空けずに出せば、1つの企画から2本のリリースをつくれます。
- 冒頭の表記: 報道関係者各位/【配信日】/【会社名】
- タイトル: 【会社名】、【対象者】向けの【イベント・キャンペーン名】を【開催日・期間】に【開催場所・オンライン】で開催
- サブタイトル: 【参加して得られること】を【形式(体験会・講演・割引など)】で提供。【申込締切】まで【申込方法】で受付
- リード文: 【会社名】(本社: 【所在地】、代表取締役: 【代表者名】)は、【開催日・期間】に【イベント・キャンペーン名】を【開催場所】で開催します。【対象者】が【参加して得られること】を目的とした【形式】で、参加費は【参加費】、定員は【定員】です。
- 開催の背景: 【対象者】の間では、【具体的な課題や関心(根拠となる事実)】が見られます。【会社名】はこれまで【自社で確認できる活動・実施の記録】を行ってきました。その中で寄せられた【声・要望】に応えるため、本企画を実施します。
- 開催概要: 名称: 【イベント・キャンペーン名】/日時・期間: 【日付と時間】/会場: 【会場名と住所、またはオンラインの形式】/対象: 【対象者】/参加費: 【参加費】/定員: 【定員】/申込方法: 【申込URL・締切日】
- 当日の内容・見どころ: 【プログラム1(時間・内容・登壇者)】/【プログラム2(時間・内容・登壇者)】/【会場で体験できること・参加特典】
- 主催者のコメント: 【役職】【氏名】は次のように述べています。「【この企画で届けたい価値】を、【対象者】に直接体験していただきたいと考えています。【当日への思い・今後の展開】」
- 取材のご案内: 報道関係者の取材を受け付けます。ご希望の方は【取材申込の締切日】までに【連絡先】へお申し込みください。撮影できる範囲: 【撮影できる場面・できない場面】
- 添付する画像・素材: 【告知画像・ポスター】/【過去に開催した時の写真(権利を持つもの)】/【会場の写真・地図】/【登壇者の写真】
- 会社概要: 会社名: 【会社名】/代表者: 【代表者名】/所在地: 【所在地】/設立: 【設立年月】/事業内容: 【事業内容】/URL: 【公式サイトのURL】
- 報道関係者のお問い合わせ先: 【会社名】 広報担当: 【氏名】/電話: 【電話番号】/メール: 【メールアドレス】/受付時間: 【曜日・時間】
こちらもWord版とPowerPoint版を用意しました。
資金調達・採用など、ほかの目的で書くとき
資金調達や業務提携の発表は、記者が知りたい項目と並べる順番が新商品とは大きく違います。こちらは資金調達プレスリリースの書き方完全ガイド|例文とテンプレート付きで、例文とテンプレートを別にまとめました。
採用や会社設立のお知らせは、記者だけでなく求職者や取引先も読みます。新商品のテンプレートをもとに、「商品・サービスの特徴」の欄を「働く環境」「事業の方向性」などに置き換えると組み立てやすいはずです。
テンプレートを埋めれば、形は整います。ただ、形が整ったリリースが読まれるとは限りません。
メディアに載るプレスリリースの書き方 5つのコツ
メディアに載るプレスリリースの書き方とは、テンプレートで整えた内容を、記者が記事にしやすい形に磨き込む工夫のことです。
同じ事実でも、書き方ひとつで「使える資料」にも「読み流される資料」にもなります。ここでは、仕上げの段階で効く5つのコツを紹介しましょう。
タイトルに「誰向けの情報か」を入れる
記者は、自分の媒体の読者を思い浮かべながらリリースを読みます。「中小企業向け」「子育て世帯向け」「飲食店向け」と対象がタイトルにあれば、自分の媒体に合うかどうかをすぐ判断できます。
対象が書かれていないタイトルは、誰にも届きにくいタイトルです。
社会的意義・ニュースバリューを1行で表現する
「新商品が出ました」だけでは、ニュースになりにくいものです。なぜ今これが必要なのか、どんな課題を解決するのか、これまでの選択肢と何が違うのか。これを1行で言えるかどうかを、書き始める前に試してください。
1行で言えないなら、まだ書く段階ではありません。ここ、いちばん大事です。
専門用語を排除し、中学生でも理解できる表現にする
専門性の高い業界ほど、業界内の言葉だけで書いてしまいがちです。記者がその業界の専門家とは限りません。専門用語には括弧で説明を添え、業界の外の人が読んでも意味が通じるかを、社外の人に一度読んでもらうと確実です。
「自社の宣伝」ではなく「社会への情報提供」として書く
「業界No.1」「業界初」「革命的」といった言葉が並ぶリリースは、広告として受け取られやすくなります。言いたくなる気持ちは分かる。でも、根拠を示せない最上級の言葉は、記者の信頼を下げるだけです。
事実と数字に置き換え、「なぜ読者に必要な情報か」という視点で書き直すと、文章の温度が変わります。
写真や図は「記事にそのまま使える形」で添える
記者が記事をつくるとき、画像を一から探す手間は小さくありません。写真や図ごとに「何を写したものか」を一言添え、記事に使ってよい範囲(クレジット表記の要否など)も書いておくと、記者が確認の連絡をしなくて済みます。
ここまで整えたら、送る前の最終確認に進みます。
プレスリリース公開前チェックリスト
プレスリリース公開前チェックリストとは、配信ボタンを押す前に、事実・表現・連絡先の抜け漏れを一つずつ確かめるための確認表です。
書き上げた直後は、自分の文章の誤りに気づきにくいものです。1日置くか、別の人に読んでもらうと見落としが減ります。
- タイトルだけで「誰向けの何か」が分かるか
- リード文が、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのようにを満たしているか
- 本文が、重要な情報から順に並んでいるか
- 数字・日付・固有名詞・価格は、すべて原典や社内資料と照合したか
- 数字に、測り方・期間・出典を添えたか
- 「業界No.1」「業界初」など、根拠を示せない表現が残っていないか
- 専門用語に説明を添えたか
- 画像・ロゴ・写真は、自社で権利を持つものか
- 代表者や担当者のコメントは、本人の確認を取ったか
- 会社概要(会社名・代表者・所在地・設立・事業内容・URL)がそろっているか
- 担当者名と直通の連絡先、受付時間を書いたか
- テンプレートの【 】や仮の文言が残っていないか
- 本文のリンクに、検索対策の語を詰め込んだアンカーを付けていないか
- 配信のタイミングは発売日・開催日・提供開始日より前か(開催後の報告リリースなら、終了後に間を空けずに出せるか)
このチェックリストを毎回同じ順番で使うと、担当者が変わっても品質がそろいやすくなります。ただ、毎月これを人の手だけで回すのは、正直かなり骨が折れる。
AI時代のプレスリリース書き方|効率化と品質の両立
AI時代のプレスリリースの書き方とは、下書きの作業をAIに任せ、ニュースとしての価値の判断と事実の確認を人が担う分担のことです。
「プレスリリースを毎月出しましょう」と言われても、1本書くのに半日かかっていては続きません。兼務の担当者なら、なおさらです。
AIを使うと、この状況が変わります。先ほどのテンプレートの【 】に入る事実、つまり商品名、解決する課題、対象者、特徴、提供開始日、価格をまとめて渡せば、タイトル案・リード文・本文の骨組みを短時間で出してくれる。
ただし、AIには苦手なことが2つあります。
1つ目は、ニュースとしての価値の判断です。「この情報を記者が取り上げたいと思うか」は、業界や媒体の事情を知る人が決めるしかありません。
2つ目は、事実の正しさです。AIは、それらしい数字や固有名詞を自信をもって書くことがあります(ハルシネーションと呼ばれる現象です)。AIが書いた数字・日付・社名・引用は、必ず原典で確かめてください。ここを省くと、訂正リリースを出す羽目になりかねません。
AIは、優秀だけどちょっと天然な相棒です。丸投げはできないけれど、使わない理由もない。
書いた後の届け方も、書き方とは別に考えるべき論点です。配信サービスで広く届けるのか、記者クラブや特定の記者に直接届けるのかで、準備する資料も送る時間も変わります。
検索での成果についても、ここで少しだけ触れておきます。配信したリリースがきっかけで社名や商品名で検索される、記事として取り上げられて紹介される、といった効果は書き方とは別に設計が要る論点です。ひとつ書き方に関わる注意点を挙げると、リリース本文のリンクに検索対策の語を詰め込んだアンカーを付ける方法はおすすめしません。Googleのスパムに関するポリシーは、リンクスパムの例のひとつに、「ランキング クレジットを転送するリンク、または他のサイトで配布されている記事、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なアンカー テキスト リンクを含む記事に対して支払いが行われる記事広告やネイティブ広告」を挙げています。リンクは、社名やサービス名など自然な言葉で置くのが無難です。書いたリリースを検索での成果につなげる考え方(被リンクの実態と指名検索)は『プレスリリースSEO戦略|被リンクの実態と検索で効く仕組み化』で解説しています。
1本なら、ここまでの手順で書けます。けれど毎月続けるとなると、事実を集め、AIに渡し、確認し、配信するまでを誰かが回し続けなければなりません。Mirai&のAI人格を使った仕組みでは、発表したいネタを渡すとAI人格が原稿を作り、人は内容を確認して承認します。担当者が変わっても同じ手順で回せることを狙った形です。
よくある質問
Q1. プレスリリースはA4何枚が適切ですか?
A4で1〜2枚に収めるのが一般的な目安です。記者は多くの資料に目を通すため、要点をまとめ、詳しい内容は問い合わせや添付資料で補う形にすると読まれやすくなります。テンプレートの欄をすべて埋めても長くなる場合は、背景の説明から削ってください。
Q2. プレスリリースを送る最適なタイミングはいつですか?
原則は、発売日・開催日・提供開始日より前に届けることです。当日を過ぎてから届くと、記者が事前に紹介する機会がなくなります。曜日や時間帯の向き不向きは、媒体や業界、配信方法によって違うため、送りたい媒体の締切や発行のタイミングから逆算して決めてください。記者クラブへ直接届ける場合の手順と曜日・時間の目安は『プレスリリースの投げ込みガイド|記者クラブ一覧と配布方法【2026年版】』へ。
Q3. 無料でプレスリリースを配信できるサービスはありますか?
配信サービスの中には、条件を満たせば無料で使える枠を設けているものがあります。ただし対象となる企業や回数、届く範囲には条件があり、内容も変わることがあるため、使う前に各サービスの公式ページで最新の条件を確認してください。重要な発表は、自社サイトへの掲載やSNSでの発信と組み合わせると届く範囲が広がります。PR TIMESの無料枠の条件と申込手順は『PR TIMES無料で使える?スタートアップチャレンジの条件・申込手順を解説』で確認できます。
Q4. プレスリリースを書いてもメディアに取り上げられないのはなぜですか?
主な原因は、ニュースとしての価値が伝わっていない、記事に必要な情報が足りない、送った先の読者層と内容が合っていない、の3つです。まずこの記事のチェックリストで足りない情報を確かめ、そのうえで「新しいか、なぜ今か、誰の役に立つか」に答えられているかを見直してください。原因の切り分けは「プレスリリースは意味ない」は誤解!メディア掲載を勝ち取る5つの戦略で詳しく整理しています。
Q5. AIでプレスリリースを書いた場合、メディアに掲載されますか?
AIで書いたかどうかは、掲載の基準ではありません。記者が見るのは、情報としての価値と事実の正確さです。AIで下書きをつくり、ニュースとしての価値の判断と数字・固有名詞の確認を人が行えば、効率と品質を両立できます。
まとめ テンプレートに事実を入れて記者に届くプレスリリースを作る
プレスリリースの書き方の核心は、型を埋める前に「何を伝えるか」を決め、その事実を記者が使える順番で渡すことです。
この記事のポイントを振り返ります。
- 書けない原因の多くは文章力ではなく、新しいか・なぜ今か・誰の役に立つかに答える事実が決まっていないこと
- 7つの構成要素は絶対条件ではなく、目的によって重みが変わる推奨チェックとして使う
- 新商品・イベントのテンプレートは、【 】を自社の事実で埋めれば1本になる(Word版・PowerPoint版も利用できる)
- 仕上げは5つのコツで磨き、送る前にチェックリストで確かめる
- AIには下書きを任せ、ニュースとしての価値の判断と事実の確認は人が担う
1本書けたら、次は「続けられるか」が課題になります。毎月の原稿づくりと配信を仕組みに任せたい場合は、AI人格プレスリリースも選択肢の一つです。記事1本から試せるトライアル(19,800円・税別)、原稿作成から5媒体への配信までのスタンダード(29,800円・税別・単発)、月額のプロ(59,800円・税別)があり、無料相談から始められます。





