「AIに投稿を任せたら、質が落ちるのでは」。これは、外部脳AI広報の相談で今野さんが必ず受ける質問です。今回は、その答えを実測で出します。Mirai&自身のX(𝕏)アカウントで、AIに投稿の生成と予約を約2週間任せた実演ログです。良かった数字も、悪かった数字も、隠さずに並べます。
この記事は何か
実演ログとは、手順マニュアルではなく、実際にやってみた工程と結果をそのまま開示する記録です。
先週公開した第1弾「AI外部脳に広報をやらせてみた」は、LINE受付システムを”作る”実演でした。今回は、その続きです。作った仕組みを”続ける”側の実演になります。
断っておきたいことがあります。この記事は、自動化すればアカウントが伸びる、と約束する記事ではありません。むしろ逆です。伸びなかった部分も含めて、実測のまま見せます。誇張した数字はひとつも使いません。
自社の情報発信に同じ仕組みを載せられるか気になった方は、この段階で外部脳AI広報モジュールについて相談することもできます。
素材はMirai&自身のX自動運転
X自動運転とは、投稿の生成と予約投稿をAIに任せ、人は発信するかどうかの判断だけを残す仕組みです。
2026年7月5日、Mirai&のXアカウントに自動運転を組みました。1日5枠(9時・12時・15時・18時・21時)に、Typefully経由で予約投稿が入ります。今日で稼働からちょうど2週間です。
正直に言うと、組んだ直後は不安でした。決まった時間に、決まった調子で投稿が出ていく。人間が書いていた頃の”間”や”勢い”が消えて、機械的な投稿になるのではないか。そう思っていました。
蓋を開けてみると、心配していたのとは違う場所に問題がありました。これは後半で正直に書きます。
自動運転の中身は単純です。ネタの元になる素材(海外の話題や過去投稿の再構成)をAIが拾い、下書きを作り、予約枠に入れる。人がやるのは、投稿前に一度目を通すことと、止めたいときに止めることだけです。
止められる場所を残す。これが、外部脳を安全に運用する最初の条件です。
AIがやった部分、人がやった部分の線引き

外部脳とは、思考と作業を外側に預けながら、発信するかどうかの最終判断だけは自分の手に残すAIの使い方です。
今回の線引きはこうなっています。ネタ出し、文面の生成、予約枠への投入。ここまでがAIの担当です。一方で、その文面を出していいかの最終確認、炎上リスクのある話題を止める判断、そして今回のように”自社の数字を正直に開示するかどうか”の判断。ここは人が持ちました。
第1弾のLINE受付システム構築でも、同じ線引きを使いました。コードやシナリオの叩き台はAIが作り、本番に出すかどうかは人が決める。今回の情報発信でも、任せる中身が変わっただけで、骨格は同じです。
生成はAI、判断は人間。
この配分を崩さない限り、任せる業務が増えても事故は起きにくくなります。逆に言えば、この配分を崩した瞬間に、AI活用は賭けに変わります。
実測|自動18件・手動76件を同じ物差しで比べる

実測とは、条件をそろえた上で数字を比べることです。ここでは自動運転開始日(7月5日)以降に絞り、自動ポストと手動ポストを同じ期間・同じ指標で並べます。
データの元はX公式アナリティクスCSV(2026年5月19日〜7月11日・469投稿)です。このうち7月5日以降のスレッド先頭投稿(リプライを除く)だけを取り出すと、自動ポストは18件、手動ポストは76件でした。
結果は次のとおりです。
- 自動ポスト18件: 表示回数の中央値1,062、いいねの中央値11、いいね率0.87%
- 手動ポスト76件(同期間): 表示回数の中央値1,057、いいねの中央値3、いいね率0.37%
表示回数がほぼ同じ条件で比べると、自動ポストのいいね率は手動の約2.4倍でした。
正直、この数字を最初に見たときは自分の集計を疑いました。人が心を込めて書いた投稿より、AIが淡々と出した投稿の方が反応が良い。感覚とずれていたからです。
ただ、母数と期間をそろえて見返しても、同じ結果でした。表示回数が同水準の投稿同士で比べている以上、これは「AIが書いた投稿は、見た人からの反応という点では手動投稿に劣らない」という実測です。逆に、この比較だけで”AIの方が優れている”と結論づけるのも早計です。件数もまだ少なく、2週間という期間もまだ短いと言わざるを得ません。ここは正直な限界として書いておきます。
品質は落ちていない。少なくとも、この2週間の実測ではそう言えます。
正直に、うまくいかなかったこと|アカウント全体のリーチ低下
アカウント全体のリーチ低下とは、個別の投稿ではなくアカウント全体の表示回数が期間を通じて下がっていく現象です。
同じCSVで週ごとの表示回数の中央値を追うと、下落は2段階で起きていました。
- 5月18日週: 中央値10,748(1日あたり投稿1.0本)
- 6月15日週: 中央値9,373(同3.9本)
- 6月22日週: 中央値2,643(同3.9本) — 投稿本数は変わらないのに、表示回数だけ約3.5分の1に落ちた週
- 6月29日週: 中央値3,362(同7.6本)
- 7月6日週: 中央値624(同16.0本) — 投稿量が一気に増え、1投稿あたりの表示回数がさらに薄まった週
自動運転を組んだのは、この下落の真っ只中でした。だから最初は「自動化のせいでリーチが落ちたのではないか」と本気で疑いました。
調べてわかったのは、時期が逆だったということです。6月22日週の下落は、自動運転を組む前、投稿本数が変わっていない時期に起きています。ここは今のところ原因を特定できていません。7月6日週の追加の下落は、投稿量そのものが1日16本規模まで増えたことによる希釈で、こちらは自動化と無関係とは言えません。ただし、これは「質を落とした」のではなく「同じ数の反応を、より多くの投稿で分け合った」結果です。
うまくいかなかったことを、うまくいったことのように書くつもりはありません。リーチは落ちています。その原因のすべてを、まだ言い切れてもいません。
外部脳に任せていいのは作業量です。任せてはいけないのは、その数字が何を意味するかを考える仕事です。
この仕組みを自社に載せるには
外部脳AI広報モジュールとは、投稿の生成と予約投稿をAIに任せ、発信するかどうかの判断は人が持つ体制を、自社の運用に合わせて組む支援です。
今日から一人でも試せることがあります。
- 直近1か月分の投稿を、手動投稿と(自動化しているなら)自動投稿に分けて並べる
- 表示回数が近い投稿同士で、いいね率を比べる
- 週ごとの投稿本数と、週ごとの表示回数中央値を並べて見る
これだけで、「AIに任せたら質が落ちた」という不安が、感覚なのか実測なのかの見分けがつきます。多くの場合、落ちて見えるのは質ではなく、母数や期間がそろっていないことが原因です。
ここまでは、時間さえかければ一人でもできます。ただ、この集計を毎週続けること、そして下落の原因を切り分けて次の手を打つことは、片手間では続きません。実際、今回の集計もCSVを取得してから数字を照合するまでに丸一日近くかかっています。
続けるための仕組みがない状態で無理に続けると、いずれ止まります。外部脳AI広報モジュールは、この「生成と予約投稿を任せ、人は判断だけに集中する」構成を、自社の体制に合わせて組む相談を受け付けています。気になった方は、外部脳AI広報モジュールについて相談するからどうぞ。
よくある質問
AIにX(𝕏)の投稿を任せると、内容が薄くなりませんか。
今回の実測では、自動ポストのいいね率は手動投稿の約2.4倍でした。表示回数を揃えて比較した限り、質が薄くなっている兆候はありません。ただし比較件数は18件とまだ少なく、断定的な結論を出すには追加の実測が必要です。
リーチが下がったのはAIのせいですか。
2段階の下落のうち、最初の下落(6月22日週)は自動運転を組む前に起きており、原因は現時点で未特定です。2回目の下落は投稿量の急増による希釈で、自動化と無関係とは言い切れませんが、投稿の質の低下ではありません。
自動化と手動投稿、どちらがいいのですか。
どちらか一方に絞る話ではありません。生成と予約投稿はAIに任せ、発信するかどうかの最終判断は人が持つ、という役割分担が今回の実演の骨格です。
この実測はいつまでのデータですか。
X公式アナリティクスCSV(2026年5月19日〜7月11日・469投稿)を元にしています。自動運転の稼働開始は2026年7月5日で、この記事の公開時点で約2週間が経過しています。
外部脳AI広報モジュールでは何をしてもらえますか。
投稿の生成・予約投稿の仕組み化と、今回のような実測レポートの設計を、自社の体制に合わせて相談できます。詳しくは外部脳AI広報モジュールについて相談するからお問い合わせください。
まとめ
自動化しても、投稿1本あたりの質は落ちていませんでした。一方で、アカウント全体のリーチは下がっていて、その原因のすべてはまだ説明できていません。
この両方を同じ記事に書けることが、外部脳という仕組みの強さだと思っています。都合の良い数字だけを見せる発信は、いずれ信用を失います。
第1弾「AI外部脳に広報をやらせてみた」で作った仕組みを、どう運用し、どう振り返るか。その続きは、また実測が積み上がった時点で開示します。AI外部脳に広報をやらせてみた|LINE受付システム構築の実演記録もあわせてご覧ください。
外部脳という考え方そのものは、Mirai&がClaudeのAI人格ライター「外部脳」でSEO記事を作成【プロンプト&画像付き】で先に記事執筆の現場で試し、今回は情報発信の現場で試しました。広報担当を専任で置けない企業がAIをどう使うかは、広報担当者がいない企業の4つの対策|兼務・外注・AIを徹底比較でも比較しています。





